一方、クリスマスを迎えたキュピル達は


キュー&ジェスター&琶月
「メリークリスマース!!」
キュピル
「はぁ。」
キュー
「にひひひ!アタシが一番最初に喋ったぜ!!」
ジェスター
「ちがーーーう!!私が一番最初!!」
琶月
「いやいや、私の方がコンマ1秒の差で喋っていましたよ!」
キュー
「おとーさーん!おとーさんなら誰が一番最初に喋ったか分るよなー!」
キュピル
「心底どうでもいい。」


キュピルがあきれた様子で肩を降ろす。
キューとジェスターがキュピルの回りをぐるぐる回りながらビシバシ叩き、琶月も途中便乗してキュピルを叩きだす。

ファン
「皆さん、早く寝ないとサンタさんが来ませんよ。」
ジェスター
「うーん、それは嫌だから今日だけ大人しく寝るよ。」
琶月
「あわわわ、早く歯磨かないと。」

ジェスターがパジャマに着替え、琶月は洗面台へと向かう。

キュー
「おーおー、サンタなんか信じているのかよー。」
キュピル
「子供の癖に夢がないな、お前は・・・。」
キュー
「にひひひ、だって大人がそー言うから。」
キュピル
「(誰だ、キューの前でサンタはいないって言った奴。)」

部屋の隅で騒いでいるヘルと輝月に目をやるキュピル。

ヘル
「うおぉおおーー!!サンタ!!サンタ来い!!!!」

輝月
「ふっ、お主の元に来るのはブラックサンタじゃな。」

キュピル
「(あの二人ガチで信じているタイプかよ・・・。)」

テルミット
「あ、あはは・・・。」
琶月
「師匠、サンタさんに一体何をお願いしたのですか?」
輝月
「名刀・メトゥラ菊一文字じゃ。」
キュピル
「物騒すぎるだろ。」

ヘル
「俺はバスターソードだ。」

キュピル
「興味ないね」

ファン
「キュピルさん、そのネタは非常に分りづらいかと。」



・・・・。

・・・・・・・・。



キュピル
「とまぁ、家内、クエストショップの仲間殆どがサンタの存在を信じ切って浮かれている。」
テルミット
「みたいですね。」
キュピル
「・・・ちょっと懸念しているのは、所詮サンタはおとぎ話で存在しない訳だから明日プレゼントが枕元になかったら一部暴動起こしそうで心配している。」
ルイ
「え?サンタさんって実在しますよ。」
キュピル
「(お前もか・・・。)」

ルイ
「・・・・あれ?あれ?勿論存在しますよね?」
テルミット
「・・・・ルイさんはサンタさんに何をお願いする予定なんですか?」
ルイ
「・・・ふふ・・ふふ・・・。」
キュピル
「(目合わせないでおこうっと・・・。)」



・・・。

・・・・・。

キュピル
「ルイがサンタを信じていたようなので会議のメンバーから外した。」

ディバン
「代わりに俺を呼んだという事か。」
キュピル
「結局サンタが居ないという事を知っているのは俺とファンとディバンとテルミットだけみたいだ。輝月は17歳だから・・一応ギリギリセーフとして24歳のヘルまで信じているのはどういう事だ。
テルミット
「実は僕が毎年・・・・。」
キュピル
「・・・なるほど。
(輝月は一体誰から貰っていたんだろうな・・・。)」
ディバン
「それで、何が心配なんだ?」
キュピル
「とりあえずヘルと輝月とジェスターとキューとルイと・・・・ってほぼ全員か・・。プレゼントなかったら間違いなく怒る。
一部倒壊レベルな喧嘩を引き起こしそうでまずい。」
テルミット
「ヘルのクリスマスプレゼントは何時も通り僕が用意しているのでそっちは大丈夫です。」
キュピル
「朗報だ。・・・あと四人だが・・・。事前にプレゼントが分っているのは輝月だけなんだよなぁ・・・。」
ディバン
「それもよりによってメトゥラ・菊一文字か。これは名刀ってレベルじゃないな。宝刀だ。」
キュピル
「菊一文字でさえ中々手に入らない武器だと言うのに、今から何とかの玉とか手に入れるのは数カ月かかるぞ・・・。」
ディバン
「・・・俺の宝物庫にあるかもしれない。」
キュピル
「まじか!!」
ディバン
「だが悪い。流石にタダで渡せる物じゃない。」
キュピル
「だよな・・・。」
ディバン
「それに合成材料分あるとも限らん。大人しく代わりを探した方がいいかもしれない。」
キュピル
「参ったなぁ・・・。」
ファン
「キュピルさん、ただいま戻りました。」
キュピル
「おかえり。どこ行っていたんだ?」
ファン
「キューさんとジェスターさんを寝かしつけるついでに欲しがっているプレゼントを聞いて来ました。」
キュピル
「でかした!それで何が欲しいと言っていた?」
ファン
「ジェスターさんは機械のネジ100個、キューさんは100万Seedみたいです。」
キュピル
「現金ねだる我が娘の将来が果てしなく心配だ。」

ファン
「どうします?」
キュピル
「ジェスターは普段から悪い子だったから今年は機械のネジ一個って事で良い。
キューは・・・お金を出すのは明らかにおかしいから5000Seed分のお菓子で。それで何とかなるだろう。」
ファン
「分りました。」
キュピル
「琶月は・・・何だろうな・・・。まぁあんまり欲があるような人じゃないからその場で何とかなるか。」
テルミット
「ルイさんは何だか怪しい雰囲気でしたね。」
キュピル
「・・・ルイは多分俺じゃないと出せない物を要求する可能性が高いけど出せるんだったら出そう・・・。」
ディバン
「一番懸念事項は輝月か。」
キュピル
「いっそ俺のお古の剣でも置いてみるか?」
ファン
「お古の剣・・・一体何を使っていましたっけ?」
キュピル
「肉切り包丁」

ファン
「流石に無理です。」



・・・。

・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・。


一時間後。

キュピル
「おーい、菊一文字手に入れて来たぞー。」
ファン
「突然当てがあると言って飛び出したかと思えばとんでもない物を手に入れてきましたね。」
ディバン
「それはメトゥラか?」
キュピル
「いや、普通の菊一文字だ。」
ディバン
「それだと輝月の要望に応えられない。」
キュピル
「いや、策はある。」

ファン
「・・・策も気になりますが、先にその菊一文字を何処で入手したか聞いていいですか?」
キュピル
「茶髪眼鏡野郎から。」





マキシミン
「・・・・んが?くっそぉ〜・・・酒飲んでたら寝ちまったか・・・。ん、・・・ぬああああーー!!俺の剣がねぇっーー!!?」



ファン
「どうなっても知りませんよ、僕は。」

キュピル
「ばれないばれない。

それよりもう時刻は深夜12時だ。サンタ信じている組はもう寝たのか?」
ファン
「はい、大分前に寝ました。」
キュピル
「よし、さっそくプレゼントを枕元に置くとしよう。」
テルミット
「あ、キュピルさんサンタ服着ます?」
キュピル
「テルミットそんなの持ってたのか。」
テルミット
「あはは・・一応ヘルが起きて来た時に備えて・・・。」
キュピル
「・・・あぁ、なるほど・・・。確かに枕元に置いた時に起きたら言い訳が面倒だ。少しの間貸して貰っていいか?」
テルミット
「はい、どうぞ。」

・・・。

・・・・・・・。

キュピル
「さっそく着てみたがちょっと緩いな・・・。」
ファン
「キュピルさんの方が身長小さいので仕方ないですね。」
キュピル
「うぐぐぐ・・・。とりあえずジェスターから行ってくる。」



==ジェスターの部屋


ジェスター
「zzzz・・・・zzz・・・・。」
キュピル
「(すやすや寝ているな。・・・ジェスターも静かな時は可愛いのに。)」

ポケットから機械のネジを一個と手紙を枕元に置く。

ジェスター
「zzz・・・zzz・・・・。」
キュピル
「(・・・流石に機械のネジ一個じゃ可哀相かな・・・。やっぱり5個置いてあげよう・・・。)」

ジェスターの枕元に更に機械のネジを四つ置く。

ジェスター
「・・・・むにゃ・・・。」
キュピル
「(おっと、起きそうか?)」
ジェスター
「・・・・キュピル大好きー・・・むにゃ・・・。」
キュピル
「(・・・・・。)」

思わず笑みがこぼれポンポンとジェスターの頭を触って部屋から出て行った。




ファン
「上手く行きましたか?」
キュピル
「あぁ、大丈夫。起きずにちゃんと渡せた。次はキューかな?」
テルミット
「お菓子の詰め合わせを作りましたので、これを。」
キュピル
「ありがとう。・・・ちょっと袋の音が鳴るから気を付けないとな。」


==キューの部屋


キュー
「ぐごー。うがー。」
キュピル
「(うわ、だらしない。)」

毛布をけっ飛ばし、いびきもかいている。いびきに関してはとても子供とは思えない。
とりあえず枕元にお菓子の詰め合わせを置いた瞬間。

キュー
「今だーー!!」
キュピル
「(うわっ!!)」

突然キューが起き上がりキュピルにのしかかってきた。

キュー
「にひひひ!サンタさんの正体を突き止める時が来たぜ!」
キュピル
「(こいつ、寝た振りしてたのか。あのイビキは演技か・・・。)」
キュー
「おらおらー、サンタさんの正体吐け〜。」
キュピル
「(寝ろ)」

キュピルが背中に乗っかっているキューを振り落としプレゼントを持って部屋の外に出ようとした。

キュー
「あーー!!ちょっとまってくれー!プレゼントは置いていけー!」
キュピル
「お前さんは良い子じゃなかったようじゃ」(低い声で
キュー
「おーおーアタシはちゃんと良い子だったぜ!」
キュピル
「サンタを見た奴は皆悪い子じゃ。」
キュー
「聞いた事ないぜ!」

ぎゃーぎゃー騒ぐキューを放置して部屋から出るキュピル。
追いかけて来そうな雰囲気があったため即座にキューの部屋から離れ自分の部屋に籠るキュピル。
・・・リビングから声が聞こえる。

キュー
「なーなー!!今そっちにサンタ来なかったかー!?」
ファン
「い、いえ。見てませんね。そんな事より早く寝てください。」
テルミット
「見てませんけど・・・居たのですか?それより早く寝た方がいいですよ。」
ディバン
「早く寝ろ。」
キュー
「皆酷いぜ!」


・・・・。

・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。


ファン
「とんだハプニングがありましたね。」
キュピル
「一時はどうなるかと思った。」
テルミット
「結局プレゼントはどうしたのですか?」
キュピル
「無し。正直お菓子の詰め合わせでも文句言ってきそうだったから今回はサンタを見た罰として無しってことにする。
ちょっと可哀相だけど後日俺が埋め合わせしておく。」
テルミット
「分りました。えーっと、次は・・・。」
ファン
「輝月さんへのプレゼントの包装が終わりました。」
キュピル
「よし、輝月の部屋に行ってくる。しかし武器のプレゼントって恐ろしいな・・・。」



・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。


==輝月の部屋

輝月
「・・・・・・・。」
キュピル
「(うわ、寝ているのか起きているのかめっちゃ分りづらい!!)」
輝月
「来たな、サンタよ。」
キュピル
「(げぇっ!!しかも普通に起きている!!!)」

輝月が布団から起き上がり正座してキュピルに向き直る。

キュピル
「(・・・・・・。)」
輝月
「・・・・こ、今年もちゃんと良い子にしたぞ。・・・ほ、ほれ。早くプレゼントをよこさぬか。」
キュピル
「(なにこれ、予想外。)」


黙って袋から包装された菊一文字を手渡す。

輝月
「う、うむ!ありがたい!サンタよ!お主は何時も何処から来ておるのだ?何処に住んでおるのだ!?」
キュピル
「(うっわー・・・めっちゃ目輝かせてい・・・こんな輝月初めて見る・・・。)」
輝月
「・・・む?喋らぬのか?」
キュピル
「すまぬ、今日は忙しくてのぉ。」(高い声で
輝月
「そ、そうか・・・で、ではまた来年話そう!約束じゃぞ!」

キュピルが二度頷きその場から退散した。



・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。



ファン
「お疲れ様です。どうでした?」
キュピル
「いや、めっちゃ予想外な展開が起きた・・・。」

ファン
「???」
キュピル
「とりあえず上手く行った。後は・・・プレゼントが分らない組か。」
ディバン
「先に琶月の方が良い。用意出来そうな物なら今から買いに行く。」
キュピル
「わかった。とりあえず琶月の部屋に行ってくる。」



・・・・。



==琶月の部屋


琶月
「すぴー・・・・すぴー・・・。」
キュピル
「(お、意外と規則正しく寝ているな。関心関心。さて、肝心の欲しがっているプレゼントは・・・。)」

琶月の枕元に置いてある靴下を手に取り手紙を取る。

キュピル
「(何々・・・『お金持ちでイケメンでそれでいて貧乳でも私の事を愛してくれる執事を下さい』・・・。
・・・・・・・・・)」

何も言わずに部屋から出て行った。





ファン
「おかえりなさい、どうでした?」
キュピル
「あいつにプレゼントは必要ない。」

ファン
「・・・?そう仰るのなら・・・。」
キュピル
「一応これが琶月が要求していた手紙。」
ディバン
「・・・これは本気で書いた手紙か?ふざけてるな。」
キュピル
「やれやれ・・・。・・・・最後はルイか。行ってくる。」



・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・。



==ルイの部屋



ルイ
「zzzz・・・・zzzz・・・・。」
キュピル
「(さてさて、ルイが欲しがっているプレゼントは・・・。)」

『霊感が激増するアクセサリー。』

キュピル
「・・・・・・・・・・・。」






キュピル
「ファンー!」
ファン
「どうかしましたか?」
キュピル
「霊感が激増するアクセサリー作れないか!?」

ファン
「無茶言わないでください。」

キュピル
「ならこのルイがいつもつけているアクセサリーを置こう。手紙には霊的な力が増したとか何とかで嘘を(ry」
ファン
「キュピルさん意外とずるいですね。」





・・・。

・・・・・・。


そんなこんなでようやくサンタを信じている組にプレゼントを渡し終えたキュピル。(キューを除く
ようやく一息つき全員でコーヒーを飲む。

ディバン
「今年もあと一週間で終わるな。」
キュピル
「早いなぁ・・・。」
ディバン
「俺もそろそろ歳だな。」
ファン
「こっちはサブストーリーですのでメインストーリーで時が進まない限り歳はとりませんよ。」
キュピル
「メタ発言やめい。」

テルミット
「(あぁ、サンタ信じているって嘘言って『出番がもっと欲しい』って描けばよかった・・・)」
キュピル
「まぁ、今から俺が言う事もメタ発言なんだけど3,4年前の年末ゲームでサンタが出てきたような記憶があるな。」
ファン
「またメタ発言でてきましたね。」
キュピル
「裏エンディングなんだが、それ迎えるとジェスターが二人に増えていた。」

ディバン
「ある意味厄介だな。」
キュピル
「まぁ所詮IFストーリーな訳だが。・・・うーん、本物のサンタさんもう一度こねーかなぁ。」
ファン
「おや、なんだかんだでキュピルさんは信じている方なのですか?」
キュピル
「ん、まぁ・・・アノマラド大陸は魔法が発達しているんだ。サンタって魔法使いみたいなもんだろ?一人ぐらい居てもいいと思うんだよね。
もしこの世界に魔法という物が無くて化学だけが発達した世界だったら存在していないのかもしれないけれども。」
テルミット
「なるほど。」
ファン
「クリスマスというのは真実を言うとクリスマス商s(ry」
キュピル
「うわー!やめろ!それは流石にやめろ!!」




・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・。



==翌日



ジェスター
「ええええええーーーーー!!機械のネジが五つしかなーい!!!」
キュー
「おとーーーさーーーん!!サンタが帰っちゃったよーーー!!わああーーーーん!!(マジ泣き」
ルイ
「あ、あれ・・あれ・・・。このアクセサリーつければ霊感上がるらしいのに・・・見えない・・・。」
琶月
「アイエエエエーーー!!理想の執事がいない!!」

輝月
「ぬおお!!これよく見たらメトゥラ菊一文字ではなく菊一文字じゃ!!サンタめ、騙しおって!!!」

全員プレゼントに不満があるらしくぎゃーぎゃー騒ぎ始めた。

キュピル
「落ちつけー!ってか輝月!手紙見なかったのか!?」
輝月
「ふむ?切味を確かめるために斬ったが問題でもあったのか?」
キュピル
「(最悪だ・・・。使い込めばいつかメトゥラに変わるって嘘を書いたのに・・・)」
ヘル
「うわ、これバスターソードじゃなくてマスターソードだ!ちくしょう!!」(逆に凄い
テルミット
「ヘル、落ちついて!」
輝月
「ふむ、仕方あるまい。まずはこの菊一文字の切れ味をもう一度確かめよう。相手はあの巨人じゃ。」
ヘル
「あ゙?上等だ、マスターソードぶっ壊すついでにてめぇもぶっ壊す!」
キュピル
「うわああああああ!!お前等やめろーーーーー!!!」
ジェスター
「あ!!機械のネジの隠し場所発見!ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ」
ファン
「あぁ!!ジェスターさん!!!」
キュー
「悔しいからおとーさんの財布から1万Seedくすねる!!」
キュピル
「馬鹿野郎!!!!」

ルイ
「むむむ・・・何か・・・何か見えてきた気がします!!」
キュピル
「そんなはずは。」

琶月
「台詞が思いつかないもうだめだー!」



・・・どたばたなクリスマス。
このイベントは終えたが次はお正月がキュピル達を待っていた。


続く(?



マキシミン
「このまま終わると思うなよこの野郎。」


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